沖縄の行事

海に囲まれた沖縄は独特の文化や風習があります。もともと琉球王朝という一つの国だったのですから不思議ではありません。今でも沖縄の行事の大半は旧暦で行われます。まずはお正月。新暦でも祝いますが、旧暦で行う地域もあります。本島南部に位置する糸満市は旧暦を大切にしています。海人(うみんちゅ)のまち糸満の漁師は旧正月になるとそれぞれの船に色鮮やかな大漁旗を飾り付け「いーそーぐゎちでーびる」(明けましておめでとう)直訳するといい正月ですねと盛大に祝い1年の航路の安全と大漁を祈願します。旧正月は2月に入ったころになりますので、この地域のスーパーでは新正月から旧正月までの約1ヵ月半の間は注連縄や門松が並んでいます。知らない人が見るとかたづけ忘れていると思われるかもしれません。

新歴の4月吉日はシーミー(清明祭)の時期です。親戚そろってお墓へ行き雑草などを綺麗に刈り取ってお墓の前へブルーシートを敷き、皆で重箱をつつきます。この時期になるとどこもかしこも墓の周りは大渋滞。沖縄のお墓は前の部分に広いスペースがありシーミーの為のスペースと言われています。お墓によっては日よけのブルーシートをかけるためのフレームが付いたものやテントを止めるための金具があらかじめ付いているものもあります。この時期に来た観光客は、お墓の前でピクニックをしているように見えるらしく驚かれます。

旧暦の3月3日は浜下りです。新暦の3月3日は桃の節句と言われ女の子の健やかな成長と幸せを祈って雛段を飾りますが、旧暦でも女の子の身を清める儀式としてその年初めて海に入ります。この時期ちょうどアーサと言う海藻が旬を迎えるため、アーサを採りがてら出かける家族も少なくありません。海開きもこの時期の為、人も少なく過ごしやすい季節となっています。

旧暦の5月4日はユッカヌヒー(4日の日)で糸満ハーレーがあります。ハーレーとは糸満地域の方言で、他地域ではハーリーとも呼ばれ各地で開催されています。サバにと呼ばれる人の幅程の細長い船で沖縄の漁師たちは東南アジアまで手こぎで漁をしに行っていました。その操縦技術を競うため始まったのがハーリーです。一番有名なのが那覇ハーリーです。那覇ハーリーは観光性が強いためゴールデンウィーク中に開催されます。連休中ということもあり県内外や基地の米軍チームも参加します。糸満ハーレーは伝統を重んじるため平日でもヨッカヌヒーに当たれば開催します。糸満地域の小、中学校や水産高校は午後からハーリーを見に行くため午前中で終わります。糸満ハーリーが始まる1週間前には早朝にハーリー鉦が打ち鳴らされ、この鉦が鳴ると梅雨が明けるといわれています。

新暦の6月23日は慰霊の日です。太平洋戦争に伴う沖縄戦での戦没者の魂を慰める、沖縄県の公休日となっています。県内の役所や学校はお休みになりますが会社は休みにはなりません。糸満市摩文仁にある平和祈念公園では現総理大臣や県知事などが参加し慰霊祭が執り行われます。この日は朝から特別番組を放送し、正午になると戦没者へ黙とうを捧げます。人種を問わず、沖縄での戦没者の名前を記した平和の礎には、今なお毎年名前が追加されています。

新暦体育の日の前日は那覇大綱挽の日です。沖縄の大動脈である58号線上で行われ、その為に中央分離帯は取り外しが可能な構造になっています。日本でもここだけの仕掛けです。綱引きの前の深夜から撤去作業が行われ、2本の雄綱と雌綱がドーンと道の真ん中に横たわります。この大綱はギネスブック認定の大きさで、この引き綱を健康のお守りとして持ち帰られることから、綱引き前になると修理され毎年成長を続けています。

12月8日はムーチーの日です。ムーチーとは月桃の葉にもち粉で作ったタネを包んで蒸したお菓子です。子供の健康と成長、家族の長寿を祈って食べられる美味しいおもちです。ムーチーを包んでいる月桃の葉は素晴らしい効果を秘めているので、次のページでムーチと月桃について詳しくご紹介します。